亀山湖でバス釣り 後編
亀山湖の大減水、アオコの大量発生でいつものフィールドではなくなった亀山に別れを告げ、次なるポインを探すことにした我々はグループから外れた修学旅行生のように路頭に迷っていた。
友人Dが沈黙を切り裂く。
「・・・・・・・野池」
ブルゾンちえみに劣らぬ間をとり、ぽつりと呟く友人Dの目はまだ諦めてはいなかった。
この状況を打破するには、亀山水系を離れ、千葉の野池を攻めようというのだ。
「野池なんてあるの?」
「・・・・・・・探す」
アメリカを切り開いた欧州人と同様に、誰でもこの状況下では同じ考えを持つだろう。先人たちの知恵、己の経験を頼りに開拓してくその精神は平成のコロンブスといっても過言ではなかった。
さて、どうやって野池を探すのか。そもそも情報がないから野池なのであり、釣りをしても良いのか、バスがいるのかはその場に行かなくてはわからない。
「・・・・・Google Map」
Google Mapで青くなっている池らしいところを当たっていく。その作戦でいく友人Dが熱心に見ているスマホの画面は、Apple Map画面だった...
Google MapとApple Mapの違いもわからない友人Dに野池が見つけられるわけがない。
一抹の不安を胸に野池と思われる場所に車を飛ばすが、ことごとくNG。釣りができる環境ではない、バスがいるわけないような場所ばかりで心が折れかけていた。
「俺が見つける」
私がそう強く言い残し、見つけたのは袖ケ浦付近の野池。ちゃんと釣りができる場所だった。
雨が降り、魚の活性が高くなったと喜びながら、ポイントにつくと先行者の影アリ。
未開拓の土地のため、先住民にアドバイスをもらうことに。
先住民のアドバイスは以下の通り
・バスはいる
・バスはいるが10cm程度のものがアベレージサイズ
・バスより雷魚が釣れるかも
・基本トップで攻めている
なるほど...聞いてもいないことを丁寧に教えてもらい、早速ロッドを振る。
雨脚が強くなり、ずぶぬれになりながらも凸を避けるため一心不乱にルアーを投げ込む。
我々が水面をたたくこと1時間ほど。友人が声を上げた。
「釣れた~」
その声に反応しラインを上げてみると...
この釣果が引き金となり、あきらめムードだった一行は俄然やる気を出し、池をぐるっと回るほどラン&ガンを行ったがバイトすらなし...
8月真っ只中の亀山大減水は野池の雷魚でフィニッシュとなった...