つりたん

都内から釣りに繰り出す釣り人

東京湾からタチウオ船に乗る! 後篇

空模様は曇り、残暑とは無縁の肌寒い空気。未体験の釣り船と初対面となるタチウオに出港前から心は踊っていた。

船は江東区の河川から出発。タチウオが東京湾のどの辺りで釣れるのか気になって頻繁にGoogle Mapを開いては自分の位置を確認していた。

レインボーブリッジをくぐり、東京湾の工業地帯を横目に船はぐんぐん進んでいく。次第に景色は水平線だけとなり、まさに海のど真ん中。

時計を見たり、Google Mapを見たり、周りの釣行者が何をしているのか盗み見たりと、そわそわしっぱなしだった。

まだポイントに着かないのか...もう1時間は乗ってるぞ...周りはみんな寝てるし...

タチウオを釣ろうと思ったら大変なんだぁなんて考えながらさらに進む事30分。ようやくポイントに着いたようで船長からのアナウンスが入った。
Google Mapを見るとほぼ神奈川の方まで来ていた。

「はい、じゃあ始めてどうぞ―。底から30mぐらいの所ですねー。」

底から30mかぁ。どれどれ...とジグを海底に落としていく。

・・・・・・え?底まで何mあるの?
もうこのまま一生ジグはボトムをとれないんじゃないかと思うくらい糸が進んでいく。
ようやくボトムに到着したようで、約200mくらい糸が出ていた。

ここにたどり着くまで知らないことだらけだったが、後はもう知っている。しゃくるのだ。ジグをしゃくってタチウオを釣る。そのくらいは知っているのだ。

しゃくりまくりながら棚をとり、落とすの繰り返し。
しゃくって落とす。しゃくって落とす。しゃくって落とす。しゃくって...

きつい!まるで肉体労働をしているかのようだ。ジグの重さは200g。水の抵抗がある中200gのジグをしゃくり続けるのはきつい。

連れてきた妻は船での長旅と予想外の肉体労働でもう飽きているんじゃないかと、恐る恐る横を見ると、意外と一生懸命しゃくっていた。

「あ、釣れたかも!」
そう呟いて妻が糸を巻き取る。

え?もう釣れたの?アタリらしいものすらなかったのに...勘違いだと思うけど...
ん?なんか付いてる?タチウオ?
「あ!タチウオだ!釣れてる!」

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うそー!本当に釣れている!初のタチウオをゲットしたのは不覚にも妻の方だった。

「すごい!すごい!」と大はしゃぎの妻に嫉妬しつつ、負けるもんかと必死にしゃくる。

くそー!私にはアタリもない!ジグを交換していたら衝撃の事実に気が付いた。

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ジグがボロボロなのである。ついさっき買ったばかりなのに長年連れ添っているかのような風貌になっている。これはタチウオの噛み跡?アタリが取れていないだけでバイトしている!とテンション上がり、このジグで続行していると私の竿にも魚の感触が...

「きたー!きたきた!」

よしよし、タチウオ!タチウオ!とほくほくしながらリールを回すが、約200mから巻き上げるのも相当の重労働。一向に魚の姿は見えない。

「すごい重い。けっこうでかいかも!」

腕がパンパンになりながらのゴリ巻!見えた!見えてきた!よっしゃー!

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なにこれ?サメ?

掛かっていたのはタチウオではなくカスザメだった。しかも結構でかい。

その後いろいろポイントを変えながらしゃくりまくったが、妻1匹、私1匹の計2匹という釣果に終わった。
※サメはお帰りいただいた。

釣れている人は結構釣れているようで、自分の未熟さを実感するとともに、絶対リベンジしてやるという熱意が沸き上がってきていたのだった...