つりたん

都内から釣りに繰り出す釣り人

コイキングは液晶の水面で空高く跳ねる

年が明け2か月が経つ。節分の鬼たちも地元の洞穴に帰り、お雛様が出番の準備を始める。普段より時の進みが早く感じるのは、2月が28日までしかないからだろうか。

釣り人の皆さんは良くご存じだと思うが、冬は釣りに行くのがえらくしんどい。寒さもそうだし、堤防や川、湖などは魚の活性が下がり釣れなくなる。気温も魚も寒い時期ということだ。

森の動物たちのように春を待ち焦がれる釣り人だが、もちろん寒くても釣れる魚、スポットは存在する。船に乗って沖に出れば魚はいるし釣れる。

だがやはり寒いのが足枷となり朝早くから釣りに出けるのはおっくうになる。

そんな1月2月、魚のことを考えているときに見つけたスマホアプリがある。
「はねろ!コイキング」だ。

コイキングとはお馴染みのポケモンで登場するキャラクター。
このアプリはコイキングのみを育成し、特技「はねる」を使って、跳んだ飛距離を競うゲームだ。
対人戦の機能はなく、”リーグ”と呼ばれるCPU相手に戦う。

このアプリ、初めてものの30分程度でゲームのすべての機能を把握することが出来る。
出来ることは「餌をあげる」、「トレーニングする」、「リーグに挑戦する」の3つだけだからだ。コイキングの成長に制限がり、始めたばかりの時はプレイヤーのレベルが低いため、成長できるステータスに上限がある。上限に達したコイキングは引退し、次のコイキングを育てるのだ。

ただそれだけのゲーム。

1匹目のコイキングが引退した時の虚無感は友人の結婚式の2次会で見せらる二人のオリジナルムービーに勝るとも劣らない。

「なんだこれ...」

ゲームを始めてから気が付くと育てていたコイキングは7代目を迎えていた。
5時間くらいコイキングと餌をタップしていたのだ。

その時私は気づいた。
「釣りと一緒だ。」

「はねろ!コイキング」と「釣り」には深い親和性があったのだ。
釣りも言うなれば、究極の暇。
魚が餌にかかるまで待つ。コイキングも成長の上限に達するまで待つ。
投げては巻いての繰り返し。餌をあげてコイキングがバイブレーションとともに成長するの繰り返し。ゴールのない暇つぶし。

釣りと「はねろ!コイキング」の共通項に気づいたとき、私は外に飛び出した。
いてもたってもいられなくて、コンビニに走った!コンビニから帰るとアプリに3000円課金していた。

課金しても出来ることは餌を無限に与えるられることぐらいなのに...

バス釣りのルアーだってそうだ。2000円近くするルアーが釣れると限らないし、1回目のキャストで根がかり、高切れで失う可能性もあるのだ。でも新しいルアーは欲しいしついつい買ってしまう。
でも、それが楽しいしそれでいいと思う。


今日もコイキングは私のスマホの中で元気よく跳ねている。
今のコイキングは28代目、自由に設定できるコイキングのニックネームは「アジキング」だ。